アブストラクト(34巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : Pyruvateの心筋保護効果に関する実験的研究
Subtitle :
Authors : 横澤忠夫
Authors(kana) :
Organization : 新潟大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 34
Number : 12
Page : 2038-2046
Year/Month : 1986 / 12
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 心筋保護液(St.Thomas液)への基質の供給や酸素加の心筋保護効果について, working heartモデルを用いて実験的研究を行った. Pyruvateが心臓の優れた基質であるとの最近のデータから, これとglucoseを比較した. また心停止前後の灌流液にpyruvateを加え, その有効性を検討した. 心筋保護液を30分ごと3時間投与し, 心筋温を21℃に保った. 60頭のラットを基質の添加や酸素加の様式にしたがい, 9つのグループに分けた. 基質を含む液の大動脈流量の回復率は, 基質を含まない液の回復率に比し良好であった. Lactate産生量は基質を含む液で多かったが, その数値は低く, 心筋に有害な影響を与えたとは考えられなかった. Pyruvate添加の心筋保護液の酸素加はさらに心機能を改善させ, またlactate産生量を減少させた. これは心筋保護液の酸素加は嫌気的代謝から, より好気的代謝へと変化させたことを意味している. また灌流液への投与によっても心機能は改善した. この実験結果は, 1)心筋保護液に基質を加え, 酸素加することで心筋保護効果が増大すること, 2)心筋保護液の基質として, 代謝されやすいpyruvateが適していることを示している.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : working heart, 心筋保護, 基質, pyruvate, multi-dose
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