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近年, 機械的補助循環法の進歩は著しく, 重篤な心ポンプ失調に対してはより優れた補助効果をもつ左心バイパス法は注目を集め, 既に臨床応用も開始されている. しかしながら, その離脱時の条件, 方法などについては未知の部分が多く, 低流量補助時の各種重要臓器の反応についての報告は少ない. そこで, 今回, ブタを使用し, 左室梗塞に伴う急性左心不全を作成し, この時点での心拍出量を基準として, その10%から60%, 更に60%から10%までの流量補助を左心バイパスポンプで行い, 血行動態的変化について検討した. 梗塞作成によりショックに陥った不全心モデルに対し左心バイパスポンプを装着し, counterpulsation法で左心補助を施行すると, 容易にショックレベルから離脱が可能で, 補助流量, 補助率の増加に伴って, 左室のdecompression効果及びdiastolic augmentation効果が強力になることが確認でぎた. 心拍出量に対する冠静脈洞血流量の比は, 補助率の増加に伴い必ずしも増加せず, 補助率40%前後で最大値を示した. また, 腎動脈及び頸動脈血流量の心拍出量に対する比は, 補助率の増加に伴って増加傾向を示すが, 40%以上の補助では定常状態に達した. このことから, 今回の実験モデルでは低流量による左心補助でも血行動態の維持は可能であると思われた. |
