アブストラクト(35巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 開心術後の腎機能 ―β2-microglobulinの測定とその意義―
Subtitle : 原著
Authors : 日置正文, 若林武雄, 宇都宮英敏, 松山謙, 萩原俊彦, 山手昇, 庄司佑
Authors(kana) :
Organization : 日本医科大学胸部外科第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 35
Number : 1
Page : 75-81
Year/Month : 1987 / 1
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 近年, 低分子蛋白であるβ2-microglobulin(β2-MG)が, 腎機能の指標として臨床的に注目されている. 血中β2-MGは腎糸球体機能を, また尿中β2-MGは腎尿細管機能をそれぞれ反映しているといわれている. 今回著者らは, 小児20例, 成人20例を対象に開心術前後の血中, 尿中β2-MG値を測定し次の結論を得た. 1. 開心術後, 血中, 尿中β2-MG値は上昇を示した. 2. 体外循環時間と血中β2-MG値, 尿中Max. β2-MG値との間には, 有意の相関を示した(p<0.05). 3. 尿中β2-MG値の変動からみると, 臨床的に腎不全の所見を示さない症例でも, 開心術後は潜在性腎尿細管障害が長期間存在し, 成人, 特に高年者では糸球体障害も関与していると考えられた. 4. 開心術後の腎障害の部位(糸球体障害, 尿細管障害)診断とその臨床経過観察に, β2-MG値の測定は有用である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : β2-microglobulin, 開心術後腎障害, 潜在性腎機能障害
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