Title : |
4ヵ月乳児の左冠動脈肺動脈異常起始症の1治験例 |
Subtitle : |
症例 |
Authors : |
福地晋治, 今井康晴, 黒沢博身, 高梨吉則, 星野修一, 高見沢邦武* |
Authors(kana) : |
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Organization : |
東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所循環器小児外科, *東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所小児科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
35 |
Number : |
1 |
Page : |
104-110 |
Year/Month : |
1987 / 1 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
比較的まれな左冠動脈肺動脈異常起始症の冠血行再建術成功例の大部分はいわゆるadult typeに分類されinfantile typeの報告はいまだ少ない. 自験例は4ヵ月女児, 左室造影から求めた駆出率は22%と低値であった. 本症に対する冠血行再建術は, 起始異常の左冠動脈は直接大動脈にimplantationする術式を第一選択と考え, 現在まで5例に施行し手術並びに遠隔成績とも良好な結果を得てきた. しかし本例のように左室機能の著しく低下した乳児例には, 大動脈遮断時間の短縮が肝要であり, 竹内法に準じた冠血行再建術を実施した. 外科的にA-Pwindowを作製し, 肺動脈前壁による有茎flapで覆った肺動脈内トンネルを新しい左冠動脈主幹部とした. 術後2ヵ月目の造影で, この新たに作製した左冠動脈主幹部は良く開存していた. 術後の左室駆出率は乳児期の比較的早期手術にもかかわらず, 術前と大差なく依然として低値であった. タリウム-201心筋スキャンの所見は左室前壁灌流欠損域の残存縮小にとどまった. 現在臨床症状は改善し外来で経過観察中である. 症例を呈示するとともにinfantile typeに対する外科治療の意義について, 若干の考察を加え報告する. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
左冠動脈肺動脈異常起始症, infantile type, 4ヵ月乳児, 冠血行再建術(竹内法), 左心機能不全 |