アブストラクト(35巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 筋性部心室中隔欠損症を合併したファロー四徴症の2手術例
Subtitle : 症例
Authors : 田村謙二, 松田暉, 広瀬一, 八木原俊克*, 北村惣一郎**, 川島康生
Authors(kana) :
Organization : 大阪大学医学部第1外科, *国立循環器病センター, **奈良県立医科大学第3外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 35
Number : 1
Page : 120-123
Year/Month : 1987 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 昭和51年から昭和54年の間に筋性部心室中隔欠損症(mVSD)を合併したファロー四徴症(TF)2例を経験した. 第1例は3歳男児で, TFの術前診断で右室縦切開によりTF根治術を行ったが, 術後57日目に心不全にて死亡し, 剖検にて心尖部のmVSDの残存が認められた. 第2例は22歳女性で, 右室cineangiographyにて心尖部の多発性mVSDを合併するTFと診断した. 根治手術時, 左室切開を行いこれを閉鎖した. mVSDの合併を考慮した術前診断, 及びmVSDに対する左室切開法につき文献的考察を加えた. ファロー四徴症(TF)には種々の合併奇形が報告されているが1), 筋性部心室中隔欠損症(muscular ventricular septal defect以下mVSD)の合併はまれである1)~4). TFにおいてmVSDを合併する場合, 心内修復上主としてアプローチが問題となり, 一般に心尖部mVSDに有用とされる左室切開法は, 比較的左室容積の小さい本症においては術後血行動態に悪影響を及ぼす可能性があると考えられる. われわれはmVSDを合併したTFの2例を経験したのでその問題点を文献的考察を加えて報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 筋性部心室中隔欠損症, ファロー四徴症, 左室切開
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