アブストラクト(35巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 川崎病に起因する大動脈弁閉鎖不全症及び冠動脈病変に対する1手術成功例
Subtitle : 症例
Authors : 春日井務, 大西建二, 小林順二郎, 岡村弘光, 小林芳夫, 安部喜夫*
Authors(kana) :
Organization : 大阪府立病院心臓センター, *大阪府立病院心臓センター放射線科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 35
Number : 1
Page : 124-129
Year/Month : 1987 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は14歳男性. 川崎病の既往は明らかでない. 生後6ヵ月時に心雑音, 8歳時に心陰影に重なる石灰化像を指摘された. 14歳時に狭心痛が出現し入院した. 精査にてSellers III度の大動脈弁閉鎖不全症, 石灰化像に一致した左右冠動脈起始部の動脈瘤, 右冠動脈瘤部の75%狭窄, 左前下行枝の完全閉塞を認めた. 手術は25mm Bjork-Shiley弁による大動脈弁置換術及び自家大伏在静脈を使用した右冠動脈, 左前下行枝への2本バイパス術を施行した. 本症例は冠動脈に川崎病に特徴的な動脈瘤が存在すること, 左室心筋生検及び大動脈弁組織像が川崎病の組織像に一致することより川崎病に起因する大動脈弁閉鎖不全症及び冠動脈病変と推測された. 本症例は川崎病に起因する大動脈弁置換術として初めてのものである. 川崎病に伴う心合併症として冠動脈病変及び僧帽弁閉鎖不全症は良く知られており, それらに対する外科治療についても報告されている1)~8). しかしながら大動脈弁閉鎖不全症の合併の報告は少なく, われわれが調べ得た範囲では外科治療の報告はない9)~14).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 川崎病, 大動脈弁閉鎖不全症, 大動脈弁置換術, 冠動脈病変, 冠動脈バイパス術
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