アブストラクト(35巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 経左室的閉鎖を行った乳児筋性部心室中隔欠損症の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 西垣恭一, 広瀬一, 松田暉, 中埜粛, 奥田彰洋, 小川實*, 川島康生
Authors(kana) :
Organization : 大阪大学医学部第1外科, *大阪大学医学部小児科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 35
Number : 1
Page : 130-133
Year/Month : 1987 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 筋性部心室中隔欠損症は頻度も少なく, 心尖部に近く存在することが多く, また多孔性であることも少なくない. そのため, その術前診断, 手術手技にも検討の余地を残している. われわれは心不全, 呼吸不全を来し, カテコラミン及び人工呼吸器よりのweaningに難渋していた3ヵ月乳児を, hepatoclavicular positionによる左室造影, 心エコーなどにより術前に肺高血圧を伴う心尖部の筋性部心室中隔欠損症及び心房中隔欠損症と診断した. 手術時に左室切開により径5mmと3mmの筋性部心室中隔欠損を容易に閉鎖し得た. 術前後での心機能変化を心エコーにより比較したが, 術後左心機能低下は見られなかった. 心室中隔欠損症(以下VSD)のうち筋性部欠損は比較的まれであるが, しばしばmultiple defect(swiss cheese type)の形態をとり乳児期より重篤な症状を呈することが多い1). 本症はその自然経過及び解剖学的特徴2)から, 通常のperimenbranous VSDに比べ外科治療法はまだ十分確立されていないのが現状である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 筋性部心室中隔欠損症, 左室切開, 乳児, 肝鎖骨位左室造影
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