アブストラクト(35巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 混合静脈血酸素飽和度(SVO2)連続モニターの使用経験
Subtitle : 原著
Authors : 横山和則, 岡田嘉之, 乙供通稔
Authors(kana) :
Organization : 山形県立中央病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 35
Number : 2
Page : 151-154
Year/Month : 1987 / 2
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 開心術後管理における循環動態の評価法として混合静脈血酸素飽和度(以下, SVO2と略す)の連続モニターを使用し, その有用性について検討を行った. 対象は, 開心術症例20例(男性8;女性12, 年齢23~73歳)で, 術式別内訳はASD閉鎖4例, VSD閉鎖1例, MVR 5例, MVR+TAP 1例, 及びA-Cバイパス9例であった. SVO2測定は, オキシメトリック社製オプチカテバルーンカテーテルを肺動脈まで入れ, 術直後より3日目まで連続モニターした. また, 測定中の動脈血pO2を100~120mmHgとした. まず, SVO2(%)と心係数(CI:l/min/m2)の関係では, CI≦3.0l/min/m2場合, CI=0.0463×SVO2-1.28の有意相関が見られ(r=0.68, p<0.01), 更にCI>3.0l/min/m2の場合, SVO2≧76%の高値を示した. 次に, 術後SVO2の経時的推移では術直後CI≧1.5l/min/m2の非LOS群では平均75%以上を維持したのに対し, CI<1.5l/min/m2のLOS群では術後3~6時間目に平均55%まで有意に低下しその後の回復も緩徐であった. また, ドーパミン投与量とSVO2の関係では, ドーパミン5γ/kg/分以上を必要とした状態のSVO2はそれぞれ平均74%及び59%で後者が有意に低下しており, 大量ドーパミン投与時の不安定な循環を表示していた. 以上より, SVO2連続モニターは, 関心術後の心拍出量を良好に反映し, カテコーラミンの減量を計る場合や急激な循環の変化を監視する際に非常に有用であった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 混合静脈血酸素飽和度, 連続モニター, 開心術後, 心係数, ドーパミン
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