| Title ： |
人工弁置換術後の慢性溶血 ―St. Jude Medical弁とOmniscience弁の比較検討― |
| Subtitle ： |
原著 |
| Authors ： |
千葉幸夫, 石原浩, 井隼彰夫, 秋田利明, 小林彰, 村岡隆介, 山里有男*, 龍田憲和** |
| Authors（kana） ： |
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| Organization ： |
福井医科大学第2外科, *武田病院心臓血管外科, **大津赤十字病院心臓血管外科 |
| Journal ： |
日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： |
35 |
| Number ： |
2 |
| Page ： |
161-168 |
| Year/Month ： |
1987 / 2 |
| Article ： |
原著 |
| Publisher ： |
日本胸部外科学会 |
| Abstract ： |
St. Jude Medical弁は, pyrolytic carbonからなる中心流型人工弁で, 弁前後での圧較差は低く, 有効弁口面積は大きく, 血栓塞栓症の発生率も低く優れた人工弁であると考えられている. しかし溶血に関する評価は一定していない. 最近行ったSJM弁による人工弁置換手術の例のうち4例に術後早期に溶血性貧血を生じ, そのうち1例を急性腎不全で失った. 残り3例のうち1例は半年後に軽減したが, 2例は10～12ヵ月後の現在でも溶血性貧血は持続している. このためSJM弁の溶血について, 傾斜型ディスク弁で, 最大開放角が80度と中心流が得られるように設計されているOmniscience弁による人工弁置換術症例との間で血清LDH値, 総ビリルビン値, 赤血球数, 血色素量及びヘマトクリット値を指標に比較検討した. 血清LDH値は術後1日目よりSJM群で有意に高値を示した. 血清総ビリルビン値は, 4週以降SJM群が有意に高値を示した. 赤血球数, 血色素量, ヘマトクリット値は, 4週以降SJM群で有意に低値を示した. SJM弁の溶血の主な原因の1つとしてtransvalvular regurgitationが考えられるが, 今後の研究が必要である. |
| Practice ： |
臨床医学：外科系 |
| Keywords ： |
St. Jude Medical弁, Omniscience弁, 溶血性貧血, 人工弁置換術, 慢性溶血 |
