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雑種成犬18頭を3群に分け, A群6頭に対しては左一側全剔のみ, B群6頭に対しては左一側肺全剔, 及び左房中等度切除(平均左房残存容積比47%)を, またC群6頭に対しては左一側肺全剔, 及び左房最大切除(平均左房残存容積比29%)を行い, 切除前後の循環動態, 及び容量負荷に対する循環動態諸量(心機能曲線における立ち上がり勾配, 平衡点到達時左房圧, 及び平衡点到達時心拍出量を用いた)の変動を比較した上で左房合併切除における切除限界について検討した. A群, すなわち左房非切除群(左一側肺全剔のみ)の問題点は切除4週後における心拍出量の有意な低下, 及び容量負荷に対する心機能曲線における平衡点到達時心拍出量の低下傾向であった. 次に, B群, すなわち左房中等度切除群(平均左房残存容積比47%)の問題点は切除直後における左房圧の有意な上昇(平均5.5mmHgの上昇)と容量負荷に対する心機能曲線における立ち上がり勾配の有意な低下であり, 本群は切除限界を少しく越えたものと考えられた. またC群, すなわち左房最大切除群(平均左房残存容積比29%)の問題点は, 切除直後, 及び4週後にも認められた左房圧の有意な上昇(平均6.0mmHgの上昇)と切除直後より12週後にも認められる容量負荷に対する心機能曲線における立ち上がり勾配の有意な低下で, 本群も切除限界を越えたものと考えられた. 以上の結果より, 一側肺全剔, 及び左房合併切除の循瑞動態, 及び心機能の変動からみた切除限界は, 左房残存容積比にして50%前後と推定された. |
