アブストラクト(35巻2号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 洞不全症候群と上大静脈症候群を伴った悪性リンパ腫心臓転移の1手術例 |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 矢野真*, 長岡秀郎, 山田崇之** |
Authors(kana) : | |
Organization : | 土浦協同病院心臓血管外科, *東京医科歯科大学胸部外科, **独協医科大学越谷病院心臓血管外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 35 |
Number : | 2 |
Page : | 213-217 |
Year/Month : | 1987 / 2 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 洞不全症候群と上大静脈症候群を伴った悪性リンパ腫の心臓転移症例に対し, 右房内腫瘤が嵌頓する危険があったために体外循環下に腫瘤摘出を行った. その結果, 血行動態の改善が得られただけでなく洞不全症候群も消失したという興味深い経過をたどった. その後, 縦隔内の再発があり3,000radの照射にて腫瘍の縮小をみたが術後4ヵ月に死亡した. 悪性リンパ腫は心臓転移を来しやすい悪性腫瘍の1つであるが, 洞不全症候群を呈した報告例は少なく本例は3例目であり, 腫瘤摘出により本症候群が消失したという症例は他に例を見ない. 一般に悪性リンパ腫の心臓転移に対しては化学療法や放射線治療が有効とされている. しかし, 本例のように心腔内腫瘤を認めた場合は外科的摘除も考慮する必要があると思われる. 悪性リンパ腫は心臓転移が多く見られる疾患だが, 洞不全症候群を呈したとする報告は少ない. われわれは洞不全症候群と上大静脈症候群を伴った悪性リンパ腫の心臓転移に対し, 腫瘤摘除により上大静脈症候群のみならず洞不全症候群も消失したという症例を経験したので報告する. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 心臓腫瘍, 悪性リンパ腫, 洞不全症候群, 上大静脈症候群 |