アブストラクト(35巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 胸腔内悪性線維性組織球腫の手術症例について
Subtitle : 症例
Authors : 宇野顕, 池田道昭, 大貫恭正, 萩原昇, 塩ノ崎文博, 山根喜男
Authors(kana) :
Organization : いわき市立総合磐城共立病院胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 35
Number : 2
Page : 223-231
Year/Month : 1987 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : われわれは, 現在までに転移性1例を含む胸腔内MFHの5手術症例を経験した. 第1例目は1979年3月にはじめて, 粘液型の右横隔膜, 胸腔面からの発生例であった. この症例は, 腫瘍の一部が肺に迷入していたので, 迷入部を含めた肺底区の部分切除を, 腫瘍は横隔筋膜を含めて摘出したが, 一部に瘻孔があり, この瘻孔を通じて肝に転移を認めた. 第2例は左肺下葉と右胸膜に発生した通常型の多形優勢亜型で, 1983年1月に左下葉を, 同年10月に右胸膜発生の腫瘤を摘出した. 第3例は右下腿原発, 右肺転移の通常型の多形優勢亜型の症例で, 一般状態改善中, 突然, 喀血と胸腔内出血のため, 1983年1月に緊急手術で, 右中・下葉切除, 上葉部分切除を施行した. その4ヵ月後に, 右下腿手術を整形外科に依頼した. 第4例は左胸膜発生の通常型の花むしろ優勢亜型で, 肺, 肋骨にも転移していたので, 腫瘍を含む, 胸壁胸膜剥皮, 左肺剔除, 肋骨切除術を施行した. 第5例は発病後, 悪性変化の所見を長期間発見できず, 手術時も右血胸として開胸したが, 胸膜, 横隔膜, 心膜にまで悪性変化を来していた通常型の花むしろ優勢亜型であった. 診断はすべて, 術後の組織診断で, 橋本の分類にしたがった. 症例2のみが2年11ヵ月の現在生存中で, ほかの4例は, 再発, 又は転移で術後1年以内に死亡した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 悪性線維性組織球腫, (MFH)の手術症例, 胸腔内MFH
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