アブストラクト(35巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肋骨骨折の整復により解除できた開胸術後無気肺の2症例
Subtitle : 症例
Authors : 寺田泰二, 呉俊雄, 千原幸司, 松延政一, 外村聖一, 清水慶彦*
Authors(kana) :
Organization : 総合病院健康保険滋賀病院呼吸器センター, *京都大学医用高分子センター実験外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 35
Number : 2
Page : 232-236
Year/Month : 1987 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 開胸術後遷延する無気肺の2症例に対し, 開胸術時に骨折した肋骨を多結晶アルミナセラミック肋骨ピンで整復することにより無気肺を解除できた. 一般に術後無気肺は, 末梢気道閉塞による喀痰排出能力低下から生じる. 肋骨骨折は, その疼痛により末梢気道は開くための深呼吸が障害されることや, 2本程度の肋骨骨折でもその骨折端が変位した場合には, 咳嗽時のように急激な胸腔内圧の変動に対して胸郭が動揺し, 咳嗽による気道内分泌物の喀出能力が低下し無気肺を生じるので, 術後無気肺の危険因子の1つと考えられた. 他の術後無気肺の危険因子がある患者に開胸術を行う場合, 肋骨骨折を招来しないように注意し, 骨折した場合には, 閉胸前に多結晶アルミナセラミック肋骨ピンなどを用い整復すべきである. また開胸術後, 一般的治療にもかかわらず無気肺が持続する場合, 肋骨骨折の有無に注意し, もし存在する場合には, 整復術を行うことが重要である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 術後無気肺, 肋骨骨折, 動揺胸郭, セラミック肋骨ピン
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