アブストラクト(35巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 感染性脳動脈瘤による頭蓋内出血を合併した感染性心内膜炎の手術治験例
Subtitle : 症例
Authors : 中田精三, 横田博雅, 荻野信夫, 児玉和久*, 南都伸介*, 鎌田喜太郎**
Authors(kana) :
Organization : 大阪警察病院心臓血管外科, *大阪警察病院心臓センター, **大阪警察病院脳外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 35
Number : 2
Page : 237-241
Year/Month : 1987 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 今回, 著者らは33歳の男性で, 頭痛・微熱を主訴として来院し, 内科的治療中に感染性脳動脈瘤の破裂による頭蓋内出血を合併した感染性心内膜炎症例を経験した. 本症に対し進行する心不全のため頭蓋内出血後11日目に生体弁を用いて僧帽弁置換術を施行した. ヘパリンを用いる僧帽弁置換術は頭蓋内出血の再発を起こしやすいと考えられたが, 術中術後を通じて頭蓋内出血は認められなかった. 術後の脳血管撮影により感染性脳動脈瘤の径の増大を認め, 僧帽弁置換術後19日目に頭蓋内出血の再発を防ぐ目的でクリッピング術を行い良好な結果を得た. 感染性心内膜炎は抗生剤による強力な内科的治療法によって, その予後は著しく改善されてきている. また, 内科的療法に反応せず心不全の進行するものや, 疣贅による塞栓症を合併する症例に対しても積極的に緊急的外科手術が行われ, その手術成績も良好である. しかしながら, 頭蓋内出血を合併した感染性心内膜炎に対する外科的緊急手術の成績は, いまだ満足すべきものではない.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 感染性心内膜炎, 感染性脳動脈瘤, 頭蓋内出血, 神経合併症
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