アブストラクト(35巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心筋梗塞を合併した左房粘液腫の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 碓氷章彦, 村瀬允也, 田中稔, 竹内栄二, 阿部稔雄
Authors(kana) :
Organization : 名古屋大学医学部胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 35
Number : 2
Page : 242-245
Year/Month : 1987 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 心筋梗塞のため入院し, 精査中に超音波検査で左房粘液腫が発見された52歳, 男性例を経験し, 粘液腫摘出術と冠動脈バイパス術を同時に施行した. 心筋梗塞は冠動脈の腫瘍塞栓を疑ったが, 切除した冠動脈内膜からは粘液腫の組織像は得られず, 腫瘍塞栓を積極的に支持する所見は得られなかった. しかし, 冠動脈バイパス術と粘液腫摘出術の同時施行例はまれで, 渉猟し得た報告例は3例にすぎず, 自験例も貴重な症例と考えられた. 左房粘液腫は腫瘍片遊離による末梢血管塞栓を来すことが多く, 塞栓症の精査中に初めて発見される場合も多い. また, 腫瘍塞栓は冠状動脈にも発生する場合があり, 冠状動脈塞栓による心筋梗塞例も報告されている. 今回, 著者らは心筋梗塞のため入院し, 精査中に超音波検査で左房粘液腫が発見された症例を経験し, 粘液腫摘出術と冠状動脈バイパス術を同時に施行したので, その治療経験を述べるとともに, 若干の考察を加えた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 左房粘液腫, 心筋梗塞, 冠動脈バイパス術
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