アブストラクト(35巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺のLymphomatoid granulomatosisの1切除例
Subtitle : 症例
Authors : 沖津宏, 山田哲司, 雨宮隆太, 於保健吉, 早田義博, 斎木茂樹*
Authors(kana) :
Organization : 東京医科大学外科, *聖路加国際病院病理
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 35
Number : 2
Page : 246-250
Year/Month : 1987 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 患者は60歳の女性で, 主訴は咳嗽及び発熱である. 特徴的臨床所見として, 胸部X線上, 右上葉の腫瘤陰影が約1ヵ月の間に変化し, 空洞形成及び著明な縮少を示した. またGaシンチにて異常集積像を認めた. 気管支鏡下生検にて肺大細胞癌が疑われ, 右上葉切除及びリンパ節郭清術を施行した. 切除標本の割面では, 病巣は境界不明瞭な腫瘤状であり壊死と空洞を形成していた. 組織所見は, 肉芽腫の形成と血管周囲の著明な細胞浸潤を特徴とした. 細胞浸潤は, 主として形質細胞及び幼若リンパ芽球であり, また異型性の強いリンパ系細胞の散在を認めた. 以上の所見より, 肺のリンパ増殖性疾患の1つであるリンパ悪様肉芽腫症(Lymphomatoid granulomatosis:LYG)と診断した. 術後8ヵ月の現在, 再発を認めないが, 本疾患の予後は不良であり, 今後も厳重な経過観察が必要と思われる. 肺のリンパ腫様肉芽腫症(Lymphomatoid granulomatosis:以下LYG)は, 腎病変を伴わない以外は臨床的にWegener肉芽腫に類似している. 北米からの報告例が多いが, 本邦では極めてまれで2・3の文献的報告1)~3)があるにすぎない. 今回, 筆者らは肺切除後の組織学的検索にてLYGと診断した症例を経験したので文献的考察を加えて報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : リンパ増殖性疾患, リンパ腫様肉芽腫症, Lymphomatoid granulomatosis:LYG
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