アブストラクト(35巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 僧帽弁後尖より発生した左室内粘液腫の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 冨澤康子, 北村信夫, 美濃地忠彦, 入江利明, 山口明満, 大滝正己
Authors(kana) :
Organization : 国立大阪病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 35
Number : 2
Page : 256-259
Year/Month : 1987 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 原発性心臓腫瘍の中で, 粘液腫は比較的多いが弁から発生しているものはまれである. また生前に診断された例は数少ない. 今回われわれはめまい発作を主訴とする25歳の女性の心臓腫瘍を経験した. 手術は体外循環下に右房切開経心房中隔に左房に到達した. 僧帽弁後尖より発生した腫瘍を摘出し, OMNICARBON弁サイズ27mmにて僧帽弁置換を施行した. 組織学的にこの腫瘍は粘液腫であった. 術後経過も順調で良好な結果を得た. 本症の僧帽弁置換術の報告は非常にまれで, われわれの調べた範囲ではこの報告例を含めて2例を見るにすぎない. 原発性心臓腫瘍の中で, 粘液腫は比較的多く報告されているが弁から発生しているものは非常に少ない. しかも剖検例として報告されているものがほとんどであり, 生前に診断された例は数少ない. また外科的摘出の報告も僧帽弁に関してはほとんどみられない. 今回, われわれは僧帽弁後尖より発生した粘液腫を摘出し, 僧帽弁を人工弁にて置換することに成功したので若干の考察を加えて報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 心臓腫瘍, 弁粘液腫, 術中エコー診断, 人工弁置換術
このページの一番上へ