Abstract : |
呼吸補助の目的で肺癌術後の2例に対してDiaphragm pacingを用いた. 一過性ではあるが満足し得る呼吸, 循環動態が得られた. 1例には同期型横隔膜ペーサーを試作し使用した. その結果, 一回換気量の増大に伴い呼吸数の減少がみられた. 本法は術後長時間の使用や安全性の面で今後, 改善を要するが, 術後陽圧呼吸が不利な症例に対しては有効な呼吸補助法になると思われた. われわれは術後呼吸補助の目的で再発肺癌の2例に横隔膜ペーシング(以下DP)を施行した症例を経験した. 1例には自発呼吸に同期可能な同期型ペーシング(以下Synchro DP)を作成し臨床に用いた. 2例の臨床経過を報告し, 術後急性期におけるDP及びSynchro DPの適応と今後の問題点について考察した. 「症例」症例1は70歳, 男性で, 右中葉切除後4年目に左肺門部の再発を認めた. 術前の肺機能では, 左肺全摘後の予測%VCは58%, 左肺動脈閉塞試験では, 肺動脈圧は閉塞前17mmHgから閉塞後22mmHgと上昇, また肺血管抵抗も閉塞前211dyne・sec・cm-5から閉塞後367dyne・sec・cm-5へ上昇した. |