アブストラクト（35巻2号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 冠動脈病変を合併した収縮性心膜炎の1治験例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 松若良介, 広瀬一, 中埜粛, 松田暉, 川島康生, 橋本聰一* |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 大阪大学医学部第1外科, *国立療養所近畿中央病院外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 35 |
| Number ： | 2 |
| Page ： | 264-267 |
| Year/Month ： | 1987 / 2 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 冠動脈病変を合併した比較的まれな収縮性心膜炎に対し, A-Cバイパス術と心膜剥離術を行い良好な結果を得たので報告する. 症例は65歳の女性. 主訴は下腿浮腫と呼吸困難. 狭心痛の自覚はなし. 精査の結果, 収縮性心膜炎を指摘された. 更に心カテーテルの際, 冠動脈疾患のスクリーニングとして冠動脈造影を行ったところ, 前下行枝6番の99%狭窄も発見された. 手術時, 心膜の癒着は両心室全体に及んでおり, 特に前下行枝の狭窄部に一致して石灰化を伴う強固な癒着が認められた. 心膜癒着剥離は一部人工心肺使用下にて行い, 更に前下行枝へ大伏在静脈によるA-Cバイパス術を行った. 本症例では冠動脈前下行枝の狭窄の原因として心膜癒着が関与している可能性が示唆された. 最近, 収縮性心膜炎に冠動脈病変を合併した比較的まれな症例を経験し, 心膜剥離術とA-Cバイパスを行い良好な結果を得た. 本症例について若干の文献的考察を加えて報告する. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 収縮性心膜炎, 冠動脈病変 |
