アブストラクト(35巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 中枢気道狭窄性悪性病変に対するNd-YAGレーザー照射の適応に関する臨床的検討
Subtitle : 原著
Authors : 有田正明, 山口豊, 藤沢武彦
Authors(kana) :
Organization : 千葉大学医学部肺癌研究施設外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 35
Number : 3
Page : 283-289
Year/Month : 1987 / 3
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 中枢気道の狭窄を惹起する病変に対して気管支ファイバースコープ下にYAGレーザー照射を行う場合, その安全な治療法を確立するため, 照射適応に関する詳細な臨床的検討を行った. 対象は最近3年間に当院に入院した悪性腫瘍による気管・気管支の狭窄, 又は出血例46例(肺癌33例, 食道癌10例, 甲状腺癌3例)であり以下の結論を得た. 1)YAGレーザー照射は気道拡大効果が極めて速効的で止血作用にも優れ, 46例中16例の著効を含め33例(72%)に効果を認めた. 2)総照射量は640から50, 708ジュール, 平均8, 118ジュールであった. 3)気管から区域気管支までの病変では中枢に存在するものほど有効率が高かった. 4)腫瘍の気道壁及び内腔への増殖形態からみると, 気道内腔ヘポリープ状に突出し長軸方向にあまり進展していないもので, 狭窄部の末梢の肺機能が保たれているものが良い適応と考えられる. 5)しかし腫瘍による狭窄が外圧主体型で, 長軸方向に沿って3cm以上にわたる場合はYAGレーザー照射の効果はあまり期待できないものと考えられる. 6)YAGレーザー照射は適応を選べば中枢気道狭窄性病変に対する極めて有効な内視鏡下治療の一手段と考える.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Nd-YAGレーザー, 中枢気道狭窄性病変, 気管支鏡
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