| Authors ： |
村上泰治, 塩津一夫, 喜岡幸央, 清水明, 中尾俊彦, 入江博之, 坂東興, 妹尾嘉昌, 寺本滋 |
| Abstract ： |
容量85ccのプッシャープレート型ポンプを用いて左房脱血, 大動脈送血による左心バイパスを行った. in vitroにてポンプの駆動方式をvariable rate(VR), fixed rate(80, 100, 120BPM)と種々に変えて性能曲線を求めるとVRの時最もよい性能が得られた. すなわち, 末梢抵抗100mmHg, 流入圧にて, 20mmHgの時ポンプ流量は各々6.5, 8.0l/minであった. 山羊5頭を用いて左心バイパスを行い, 駆動方式をVR, synchronous, fixed rateに変えて各駆動方式におけるバイパス流量, PA flow, 左心補助効果を検討した. PA flowは有意差なく, バイパス流量はVRの時PA flowの53%となり有意に大であった. LV dp/dt Max. はVRの時, 有意に低下したが, TTIには差がみられなかった. 冠静脈血酸素分圧はVRで有意に上昇した. サック型, ダイヤフラム型ポンプに比較してプッシャープレート型ポンプは優れた性能を有する. すなわち, 陰圧を用いず左房圧のみにて成人の心拍出量に相当する流量をだすことができる. 左心バイパスを行う時, 左房脱血で陰圧を用いない方式ではポンプの拍動を自然心に同期させなくても, 全く独立して駆動させ, ポンプの充満, 駆出を完全に行った方がバイパス流量が大きく, 更にポンプ内血栓形成防止のためにもよい効果をもたらす. |
