アブストラクト（35巻3号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 新生児総肺静脈還流異常症下心臓型の1治験例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 石倉義弥, 小田桐重遠, 永田真人, 嶋津明, 吉松博, 郡建男* |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 産業医科大学第2外科, *産業医科大学小児科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 35 |
| Number ： | 3 |
| Page ： | 396-400 |
| Year/Month ： | 1987 / 3 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 生後12日目, 体重2,763gの下心臓型総肺静脈還流異常症に対し, 緊急手術の態勢のもとに心臓カテーテル, 心血管造影検査後直ちに体外循環下に根治手術を行い成功した. 進行性の肺静脈閉塞がみられるために, 症状が悪化する前に早期の確診と根治手術が重要である. 手術は緊急性, 呼吸循環不全を考慮し, 短い体外循環で手術時間もできるだけ短縮するよう, posterior approachにより十分な視野のもとに肺静脈の状況を的確に把握し, 肺静脈及び垂直静脈を後面まで十分剥離し, 肺静脈の屈曲が起こらぬように左房に近づけ, 必要十分な大きさの吻合口を作成した. 術後急性腎不全も腹膜透析で回復した. 必要十分な吻合口をいかに確実に短時間で作るかが本手術にとって肝要であり, 術前後の管理も積極的に十分行うことが手術成績を向上されると考える. 総肺静脈還流異常症の予後は不良であり, その手術成績も特に下心臓型のものは著しく不良である. われわれは生後12日目の下心臓型総肺静脈還流異常症の根治手術に成功したので報告する. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 総肺静脈還流異常症, 下心臓型, 体外循環法, 新生児開心術 |
