Title : |
癌性胸膜炎に対する新しい治療法“胸腔内温水灌流法”を併用した肺悪性腫瘍2切除例の検討 |
Subtitle : |
症例 |
Authors : |
稲岡正己, 草島勝之, 岩田美佐男, 森川雅之, 三品寿雄, 小松作蔵 |
Authors(kana) : |
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Organization : |
札幌医科大学胸部外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
35 |
Number : |
3 |
Page : |
405-410 |
Year/Month : |
1987 / 3 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
癌性胸膜炎に対し胸水制御と胸腔内播種病巣への抗腫瘍効果を目的とした“胸腔内温水灌流法”を考案し, 癌性胸膜炎を伴った肺悪性腫瘍2症例に応用した. 症例1は右中葉の悪性血管内皮腫というまれな症例で, これに対し右中葉切除と灌流液に生理食塩水を用いた42℃, 2時間の胸腔内温水灌流を施行した. 症例2は左下葉の腺扁平上皮癌で, 左下葉切除と灌流液にMMCとBLMを加えた生理食塩水を用いた43℃, 2時間の胸腔内温水灌流を施行した. 2症例とも胸水は消失し, 本法は胸水制御に有効と思われた. また症例2では本法による局所の抗腫瘍効果が示唆された. 温熱による癌治療の有効性はこれまでに数多く報告され, 皮膚癌, 膀胱癌などにおいては既にその臨床応用がなされている. 今回われわれは, いまだ満足すべき治療法の確立されていない癌性胸膜炎の新しい治療法として, 胸腔内に温水を灌流させることにより胸腔内播種病巣の撲滅を計る一種の局所温熱療法“胸腔内温水灌流法”を考案し1), 臨床例2例を経験したので報告する. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
胸腔内温水灌流法, 局所温熱療法, 癌性胸膜炎, 肺悪性腫瘍, 抗腫瘍効果 |