アブストラクト(35巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心疾患と肺癌の合併手術
Subtitle : 症例
Authors : 森渥視, 岡田慶夫, 中村良雄, 高橋憲太郎, 周防正史, 高山幸男*
Authors(kana) :
Organization : 滋賀医科大学第2外科, *彦根市立病院内科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 35
Number : 3
Page : 416-420
Year/Month : 1987 / 3
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 平均寿命の延長に伴い, 後天性心疾患と各種臓器の悪性腫瘍との合併症例を多く経験するようになった. われわれは今回, 58歳男性で, 右上葉肺癌を合併した高度僧帽弁閉鎖不全症例に対し, 胸骨正中切開により, 同一術野から右上葉切除と僧帽弁置換術を同時に行った. 従来, このような症例に対しては, まず循環器疾患に対する手術を行った後, 数週間後に肺癌に対して手術が行われてきた. しかしながら肺癌に対する手術は, その時期を失することなく, しかも安全に行うことが望ましい. 肺癌の存在部位やその進展度などにより, その適応には限界があるが, できるだけ手術方法を工夫して, 両疾患に対する同時合併手術を考慮すべきであると考える. 肺癌と狭心症を合併した症例に対する同時手術例は報告されているが, 肺切除術と僧帽弁置換術の同時施行例は, われわれが調べ得た範囲では本邦では本報告例が最初である. 近年, 平均寿命の延長, 生活様式の欧米化に伴い, 種々の心疾患に肺の悪性腫瘍を合併する症例に遭遇するようになった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 僧帽弁置換術, 肺癌, 心肺同時手術
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