アブストラクト(35巻4号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺静脈再建術を併用した進行肺癌2症例に対する肺切除術の試み
Subtitle :
Authors : 岩波洋*, 清水健*, 安西吉行*, 成田久仁夫*, 大谷信夫**, 胡永校***
Authors(kana) :
Organization : *金沢医科大学胸部心臓血管外科, **金沢医科大学呼吸器内科, ***中国医科大学附属第一医院胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 35
Number : 4
Page : 548-554
Year/Month : 1987 / 4
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 上肺静脈への癌腫の直接浸潤のため, 通常は肺全剔面の適応となる中葉原発の進行肺癌2症例に対し以下なる術式を試みた. 症例1は扁平上皮癌例で, 癌腫は上肺静脈幹から左房に浸潤していた. 肺静脈・左房の合併切除後, 上葉静脈と左房間に採取した奇静脈の一部をinterposeし肺静脈を再建した. 気管支形成術後, リンパ節郭清中, 残存上葉肺を圧排した際, 再建した肺静脈の左房側吻合部が屈曲・閉塞を生じ, 最終的には肺全剔となった. 症例2は腺表皮癌例で, 上肺静脈幹への癌腫の浸潤に対し, 肺静脈を癌腫とともに部分切除し, 奇静脈片をパッチ状に同部に縫合し肺静脈を再建した. 次いで, 中下葉切除を行い, 上葉肺を温存し得た. 2症例に試みた肺静脈の合併切除及びその再建術は, 一方では拡大手術であり, 他方では肺機能を温存するものであり, 意義ある術式と考える.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 進行肺癌, 肺静脈再建術, 奇静脈片
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