Abstract : |
高頻度ジェット換気法(high frequency jet ventilation, HFJV)使用下での気管・気管支形成術に際し, HFJVの駆動条件の変化が, 肺及び体循環系へどのような影響を及ぼすかについて, 動物実験にて検討した. 気管切離, 又はsleeve pneumonectomyを施行後, IPPV又はinsufflation方式でのHFJVにて呼吸管理を行い, 循環動態を測定した. HFJV装置にはHFO-jet ventilator(泉工医科社製)を用いた. 結果は次のごとくである. 1)気管形成のモデル実験では, Driving Gas Pressure(DGP);1.0kg/cm2のHFJVのもとでは, IPPVと比較して循環動態には著変は見られなかったが, DGP;2.0kg/cm2では平均血圧, 心拍出量は有意に低値を示した. 反面, 右房圧, 肺動脈楔入圧は有意に上昇し, 肺血管抵抗は上昇傾向を示した. 同一駆動圧下では3Hzで最も平均血圧, 心拍出量の低下は著明であり, 肺血管抵抗は上昇した. 2)sleeve pneumonectomyのモデル実験では, DGP;1.0kg/cm2のHFJVのもとではPaO2は低値を示したが, 循環動態はIPPVと比較して著変なかった. DGP;2.0kg/cm2ではPaO2は改善したが, 平均血圧, 心拍出量は有意に低値を示した. また右房圧は有意に上昇し, 肺動脈楔入圧, 肺血管抵抗は上昇傾向を示した. 同一駆動圧下では3Hzで最も平均血圧, 心拍出量は低値であり, 右房圧, 肺動脈楔入圧, 肺血管抵抗は上昇傾向を示した. |