Authors : |
原田泰, 宮本晃, 北村信三, 梅田正五, 川野幸志, 進藤正二, 陸川秀智, 塩野元美, 瀬在幸安 |
Abstract : |
われわれの教室では, 1985年11月現在, 虚血性心疾患に対する大動脈-冠動脈バイパス手術(ACBG)症例305例中4例(1.3%)の再手術を経験し検討した. 症例4例中3例に狭心痛の再発がみられ, 再手術の原因としては, グラフトの狭窄, あるいは閉塞が3例, 本来の冠動脈病変の進行によるものが1例であった. 再手術までの平均期間は38ヵ月であり, 手術死はなく腎不全による晩期死が1例であった. risk factorは, 喫煙が3例, 糖尿病が2例, また高脂血症が2例に認められた. グラフトとしては, 初回手術時及び再手術時とも大伏在静脈を用いた. ACBG術後, 抗凝固療法及びrisk factorに対する内科的コントロールを十分に行い, また定期的にカテーテル検査を行うことによって詳細に経過観察し, 狭心痛などの症状が再発した場合には迅速に心臓カテーテル検査, 冠動脈造影, グラフト造影などの検査を行い, 適応があれば積極的に再手術を考慮すべきであると考える. |