アブストラクト(35巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺動静脈瘻からみた遺伝性出血性末梢血管拡張症(Osler病)と家系調査の意義
Subtitle :
Authors : 桑原修*, 松村晃秀*, 土肥英樹*, 中川芳樹*, 上田英之助**
Authors(kana) :
Organization : *国立療養所刀根山病院外科, **国立療養所刀根山病院循環器科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 35
Number : 6
Page : 804-809
Year/Month : 1987 / 6
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 1974年~1984年の10年間に肺動静脈瘻(PAVF)を4例経験し, その家系調査より何れもOsler病の家系であることが判明した. これら4家系には15例(男性9, 女性6)のOsler病の患者, 7例(男性6, 女性1)のPAVFの患者があり, 更に協力が得られず精査をしていないが2例のPAVFの疑いの患者があった. PAVFの3例に手術が行われ, 核出術1例, 肺葉切除術2例であった. 手術不能の1例は診断後10ヵ月足らずで心不全と脳膿瘍で死亡し, 手術拒否の1例は脳血管障害を来した. PAVFの合併症はOsler病を伴う時に特に多く, 出血と中枢神経障害が重大である. このためにPAVFの治療法では外科切除が第1選択となる. 肺血管床と肺機能を温存した術式が望ましい. PAVFとOsler病の関連は密接であり診断・治療・予後の点から家系調査は不可欠である. 主としてこれらの点から考察を行った.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺動静脈瘻, Pulmonary arteriovenous fistula, 遺伝性出血性末梢血管拡張症, Osler病, 家系調査
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