アブストラクト(35巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 喉頭・気管狭窄に対するシリコンTチューブによる治療例の検討
Subtitle :
Authors : 菊池功次*, 加藤良一*, 酒井章次*, 西村嘉裕*, 鈴木隆*, 加勢田静*, 小林紘一*, 石原恒夫*, 根本悦夫**
Authors(kana) :
Organization : *慶應義塾大学医学部外科, **国立療養所晴嵐荘病院外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 35
Number : 6
Page : 818-823
Year/Month : 1987 / 6
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 喉頭・気管狭窄の15例を気管用シリコンTチューブで治療した. 気管形成術後の両側反回神経麻痺による喉頭狭窄の11例に対して気管切開口よりシリコンTチューブを気管内に挿入し, 口側端が声帯直上に出るように固定する新しい治療法を行った. 現在挿入中の3例と癌死した1例を除いてTチューブを抜去した7例で恒久的に声門を開大することができ, うち5例では気管切開口を閉じた. 残りの2例では癌性胸膜炎の併発などのため, 予防的にカフスボタン状カニューレを挿入し, 気管切開口が閉じないようにしてある. 炎症性気管狭窄(吻合部肉芽増生, 気管気管支結核)の2例に対しては治療の目的でTチューブを使用し, うち1例ではTチューブを抜去し治療の目的を達した. 悪性腫瘍の気管狭窄の症例ではTチューブで気道を確保することができた. Tチューブによる気道の確保は気管切開チューブと違って, 発声を可能にし, しかも鼻咽頭を経由した空気を呼吸するために吸入気に至適な湿度が得られるなど有用であった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 喉頭狭窄, 気管狭窄, Tチューブ, 気管形成術, 甲状腺癌気管浸潤
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