Title : |
食道再建術後の胸腔内挙上胃の機能 |
Subtitle : |
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Authors : |
西村治, 桜井武雄, 横井秀樹, 土橋重隆, 重里政信, 清水達也, 中山均, 内藤泰顕 |
Authors(kana) : |
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Organization : |
和歌山県立医科大学胸部外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
35 |
Number : |
6 |
Page : |
824-833 |
Year/Month : |
1987 / 6 |
Article : |
原著 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
著者らは過去95例の食道癌患者に対し全量を用い後縦隔経路による食道再建を行った. 今回術後5年以上生存の7長期例を中心に, 術後3年までの13短期例と対比し胃の消化吸収機能を検討し以下の結果を得た. 1)コンゴーレッド法による色素内視鏡検査で胃酸分泌領域を観察した. 7長期例中5例, 13短期例中2例で広範囲, 又は帯状の酸分泌領域が見られ, 術後年数の経過とともに酸分泌能回復の可能性が示唆され, 手術時年齢, 胃の血流の良否が酸分泌能回復の要因と考えられた. 空腹時血清ガストリン値は酸分泌能回復の指標として有用と思われた. 2)肝胆道, 消化管の同時シンチにて胃内容と胆汁の排出動態を検討した. 対象の6例中5例で胃内食物は胆汁排泄より約20分は早く腸内へ排出され, 術後年数に関係なく潜在的なpostcibal asynchronismの存在が示唆された. 3)Dual-isotope法によるVB12の吸収能の検討では, 術後22ヵ月以上経過の症例では10年を越える症例を含めて正常のVB12吸収能を示した. 4)引き抜き法により食道胃吻合部を中心に管内圧とpHの変化を測定した. 吻合部に一致してpHの急峻な上昇と管内圧の変動が記録され, 食道胃後壁重積吻合法の逆流防止機構が長期例でも短期例同様に維持されていることが知られた. 頭側低位の食道胃透視にても同様の所見を得た. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
食道癌, 胃酸分泌能, VB12吸収能, 血清ガストリン, 逆流性食道炎 |