アブストラクト(35巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : PTCAにより形成された冠動脈瘤に対しCABGを行った1例
Subtitle :
Authors : 上野哲哉**, 渡辺健介*, 古賀伸彦*, 伊藤翼**
Authors(kana) :
Organization : *古賀病院, **佐賀医科大学胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 35
Number : 6
Page : 872-875
Year/Month : 1987 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : PTCAに伴う合併症として, 狭心発作の遷延, 急性心筋梗塞, 冠動脈閉塞, 冠動脈スパスムなどが多く, 緊急CABGを必要とする場合も少なくはない. 近年のPTCAの普及に伴い, これらの合併症への対策, あるいは治療が問題となっている. 今回, われわれは, 不安定狭心症を有する49歳の男性で, 左前下行枝中位部(Seg 7)の2ヵ所の狭窄部に対しPTCAを行った結果, 冠動脈瘤形成及び近位部の高度再狭窄を来した症例を経験した. 本症例の場合, 薬物療法に抵抗性の狭心発作が増悪したため, 冠動脈瘤の破裂予防目的も兼ねて, 左前下行枝に対してCABGを行ったところ, 冠動脈瘤の血栓性閉塞を認めた. PTCAによる冠動脈瘤形成の報告は, いまだ数少ないが, 今後増加する可能性が大である. 本症例の経過を通じて, PTCAによる冠動脈瘤形成の機序, 及び外科的治療法に関して文献的考察を加えた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 冠動脈瘤, PTCAに伴う合併症, CABG
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