アブストラクト(35巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 僧帽弁疾患における動的運動負荷(自転車Ergometer負荷)による術前後の血行動態の推移と僧帽弁狭窄症に対する術式の検討
Subtitle :
Authors : 石井潔**, 黒沢博身*, 小柳仁*, 中野清治*, 筒井達夫*
Authors(kana) :
Organization : *東京女子医科大学付属日本心臓血圧研究所外科, **宮崎医科大学第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 35
Number : 7
Page : 933-942
Year/Month : 1987 / 7
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 僧帽弁疾患において, 手術前後に自転車型Ergometer使用による動的運動負荷を行い血行動態の変動を観察し, 狭窄症群(MS群)と閉鎖不全症群(MR群)との術前後の心機能(左室拡張末期容積:LVEDVI, 左室収縮末期容積:LVESVI, 左室駆出率:LVEF)の改善度の相違と, 運動負荷に対する血行動態の対応の相違(肺動脈圧:PAP, 心拍出量:CO, 心拍数:HR, など), 及び狭窄症群に対しては人工弁置換術(MVR群)と直視下交連切開術(OMC群)の術式の選択に関して検討した. 対象は安静時肺動脈収縮期圧(PAP)75mmHg以下の症例とし僧帽弁狭窄症32例, 僧帽弁閉鎖不全症10例の42例であった. MS群では術後LVEDVI, LVESVIは有意な変化は認めなかったが, LVEFは改善を示した. MR群ではLVEDVI, LVESVIは術後減少したが, なお正常値より高値を呈しており, LVEFは術後低下していた. 運動負荷に対する対応では, MS群では, 術前は1回拍出量(SI)が減少し心拍数(HR)を増加させる形で対応していた. MS群のMVR術後及びMR群のMVR術前後の負荷に対する対応は, SIは変化せずHRで心拍出量を増加させる対応を示した. 肺動脈圧(PAP)への影響では, 負荷に対しMS群で術前著明な上昇を示したが術後は群群とも改善を示した. OMC群とMVR群との比較では, 術後の左心機能ではOMC群でLVESVIの減少とSIの増加を認め, PAPの増大は残るものの心機能の改善ではOMC群の方が優れていた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 僧帽弁疾患, 運動負荷, エルゴメーター, 直視下交連切開術, 僧帽弁置換術
このページの一番上へ