アブストラクト(35巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 僧帽弁疾患の術後遠隔期における運動負荷による心機能の研究-特に運動耐容能について-
Subtitle :
Authors : 石原良, 鷲尾正彦
Authors(kana) :
Organization : 山形大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 35
Number : 7
Page : 1012-1021
Year/Month : 1987 / 7
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 僧帽弁疾患で弁置換術を施行した患者の術後遠隔期の心機能を評価する目的で運動負荷試験を行い運動耐容能の面から検討した. 対象は僧帽弁単独疾患としMS 18例, MR 14例の計32例であった. 年齢性別はMS群54±6歳男性13例女性5例, MR群48±6歳男性12例女性2例であり両群間に差はなかった. 検査は術後6~87ヵ月(平均33ヵ月)に施行した. 運動負荷試験は仰臥位自転車エルゴメーターを使用し連続多段階漸増法(25W, 50W, 75Wそれぞれ4分間ずつ12分間)によった. スワンガンツカテーテルを挿入し心拍出量, 肺動脈圧, 肺動脈楔入圧などを測定し, 同時に酸素消費量を連続的に測定した. 両群とも75W負荷まで耐えられたものは約60%であり残りは50Wまでにとどまった. end Pointにおけるmetabolic unitは4~5METSであり日常生活においては卓球, ゴルフ, テニスなどと同程度の代謝量であった. 心係数, 分時左室仕事係数は50WまではMS群が低値を示した(p<0.05)が, 75W時には差を認めなかった. 最大酸素摂取量はMR群が高値を示し運動耐容能が良好であった. 軽度の負荷まではMR群の心機能が良好であり, 術前の心機能や心房細動の有無との関連が示唆されたが, ある程度強い負荷では山群の心機能に差はなく人工弁そのものの機能上の1つの限界を示していると考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 僧帽弁狭窄症, 僧帽弁閉鎖不全症, 僧帽弁置換術, 運動負荷試験, エルゴメーター
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