アブストラクト(35巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : Lecompte手術(REV)を施行したd-TGAIII型の1治験例-右室流出路再建に導管を用いない解剖学的修復術-
Subtitle :
Authors : 青木満, 今井康晴, 黒沢博身, 中江世明, 星野修一, 澤渡和男
Authors(kana) :
Organization : 東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所循環器小児外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 35
Number : 7
Page : 1066-1071
Year/Month : 1987 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 心室中隔欠損(VSD)及び肺動脈狭窄(PS)を伴った完全大血管転位症(以下d-TGA III型)の1症例に対して, Lecompte手術(右室流出路再建に導管を用いない解剖学的修復術)を施行した. 三尖弁腱索の一部が漏斗部中隔へ付着していたため, 漏斗部中隔を切除せずフラップ状に心内導管の右室側に転位し腱索の機能を温存した. 術後カテーテル検査で, 右室圧は術前の90mmHgから40mmHgへ低下しており右室肺動脈間収縮期圧較差は21mmHgであった. 心係数は6.1l/min/m2と良好で三尖弁逆流を認めなかった. 本術式は, 肺動脈を大動脈の前下方に転位するため肺動脈に狭窄を作る危険があるが, 手技上の注意により防止し得ると思われた. Rastelli手術は右室流出路再建に導管を用いるため遠隔成績に問題を残している. Lecompte手術は導管を必要としない点において遠隔成績の向上が期待できるため, 今後遠隔成績を中心にRastelli手術と比較評価されるべき術式と考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 完全大血管転位症, Lecompte手術, REV(Reparation a l'Etage Ventriculaire), 解剖学的修復術, Rastelli手術
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