アブストラクト(35巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 先天性冠動脈瘻の6例(両側冠動脈-軸動脈瘤の1例を含む)
Subtitle :
Authors : 倉岡節夫, 島貫隆夫, 星永進, 中村千春, 小林稔, 鷲尾正彦
Authors(kana) :
Organization : 山形大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 35
Number : 8
Page : 1176-1182
Year/Month : 1987 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 教室で経験した4~68歳の6例の先天性冠動脈瘻の流出冠動脈と流入腔の内容は, 両側冠動脈→肺動脈3例, 左冠動脈→肺動脈2例, 右冠動脈→右室1例であった. 合併心疾患は僧帽弁狭窄症, 心房中隔欠損症各1例で, これらの症例では各々の精査中に冠動脈瘻が診断された. 他の4例の冠血管造影前の初診医の臨床診断は, 動脈管開存症2例, バルサルバ洞動脈瘤破裂2例であった. 臨床症状は基礎疾患による症状のほかは, 心雑音のみの小児例1例を除き, New York Heart AssociationのClass I~IIIで, coronary steal現象を示唆する狭心症状を示した例はなかった. 最高齢者の1例は重度の心不全症状であり, 両側冠動脈より灌流される2個の冠動脈瘤の形成が認められた. 手術は全例体外循環下に合併する心疾患の根治術とともに瘻の開口部の閉鎖と瘻血管の結紮術を行い, 特に合併症を来すことなく良好な転帰をとった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 先天性冠動脈瘻, 両側冠動脈肺動脈瘤
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