アブストラクト（35巻8号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 大動脈弁置換術後に発生した非閉塞性腸間膜血行不全症の1例 |
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| Subtitle ： | |
| Authors ： | 森山由紀則, 森下靖雄, 田畑富士男, 山下正文, 下川新二, 平明 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 鹿児島大学医学部第2外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 35 |
| Number ： | 8 |
| Page ： | 1183-1186 |
| Year/Month ： | 1987 / 8 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 開心術後, 非閉塞性腸間膜血行不全により広範な腸管壊死を来し不幸な転帰をとった1例を経験した. 症例は66歳男性で, 大動脈弁閉鎖不全の診断で弁置換術が行われた. 術直後の経過は順調であったが, ニトログリセリンの投与中止後腹痛が出現し, 腹部は著明に膨満, ショック状態となり, 腸閉塞の診断で緊急に開腹した. Treitz靱帯の40cm肛門側空腸よりS字状結腸まで壊死に陥っていた. 壊死腸管切除後, 口側空腸断端を外瘻としたが, ショック状態が改善されず死亡した. 摘出腸管の血管造影で腸間膜動脈は末梢まで開存しており, 血栓などの所見を認めなかった. 原因として心拍出量の低下による遷延性の腸間膜動脈の攣縮に加え, ジギタリス, 昇圧剤, 利尿剤の投与及び血管拡張剤の急速な投与中止などが考えられた. 早期診断の困難性や予後不良であることなどから, 開心術後の留意すべき合併症と1つと考える. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 非閉塞性腸間膜血行不全, 広範腸管壊死, 大動脈弁置換術後, 腸間膜動脈スパスム |
