アブストラクト(35巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : Single AortotomyによるCABG近位側吻合法(Sadeghi法)
Subtitle :
Authors : 笠置康, 和田寿郎, 横山正義, 長柄英男, 板岡俊成, 毛井純一, 田原士朗
Authors(kana) :
Organization : 東京女子医科大学胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 35
Number : 9
Page : 1677-1681
Year/Month : 1987 / 9
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 従来の近位側吻合に際して1本の大伏在静脈に1個の大動脈切開を用いていた方法と異なり, 1個の大動脈切開を比較的大きく置くことによりこの部位に2本もしくは3本の大伏在静脈を縫着する, Sadeghi H.らの行った本法を10例に施行した. 多枝バイパスを行うに際して本術式は様々な利点を有している. 術式は遠位側吻合がすべて完了したのちPartial Clampをかけ大動脈を横切開する. 次いで, 大伏在静脈片を至適長さにて切断ののち長軸に平行に切開する. 大伏在静脈片をプロリン5-0糸を用い連続縫合により縫着する. ひし形に開口した大動脈切開部の左右から中央に向けて縫い上げてくる. 真ん中の大伏在静脈片は主に左右からの大伏在静脈との縫合により吻合する. でき上がった開口部に適合するべく真ん中の大伏在静脈片の切断端にtrimmingを加えたのち縫着する. この吻合部周囲の外膜に白金入縫合糸(WADAX(R))を術後カテーテルの目印として縫着することにより吻合部の確認が容易なものとなる. 術後の確認カテーテル検査においても吻合部の瘤形成などは見られず, 一ヵ所の大動脈吻合部より良好なバイパスが得られていた. 本術式により比較的大きい大動脈横切開により内膜の粥状変化を有する症例に対しても, 良好な術野が得られる. 上行大動脈の短い症例においてもPartial Clampの位置を変えずに多数の大伏在静脈を縫着し得る. 2本以上の大伏在静脈graftが必要な場合本法は有用である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 冠動脈バイパス術, 近位側吻合, 上行大動脈横切開, 大回在静脈グラフト
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