アブストラクト(35巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心エコーが術前後のシャントの証明に有効であった肺動静脈瘻の1手術例-Rendu-Osler-Weber syndrome合併例の本邦における集計-
Subtitle :
Authors : 八田健, 坪田紀明, 松原正秀
Authors(kana) :
Organization : 兵庫県立成人病センター胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 35
Number : 9
Page : 1762-1766
Year/Month : 1987 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は27歳男性, 健康診断で胸部異常陰影を指摘され, 胸部断層写真及び肺動脈造影にて肺動静脈瘻と診断された. 既往歴に頻回の鼻出血と舌出血があり, 舌には毛細血管拡張を多数認めた. また父や兄にも頻回の鼻出血を認めた. 以上よりRendu-Osler-Weber syndrome(以下ROWと略す)に合併した肺動静脈瘻と診断し, 肺動静脈瘻摘出術を行った. 術後胸部写真, CTscanでは肺野の他の部位に肺動静脈瘻を思わず陰影は認めなかったが, シャント率の改善は術前の14%から, 術後の9%にとどまり, 術後のコントラスト心エコー検査でもシャントの残存が証明された. われわれが集計し得た本邦におけるROW合併の本疾患は, 過去22年間に自験例を入れて13例(7.7%)であった. そしてROWを伴った肺動静脈瘻は, ROWを伴わない例よりも肺動静脈瘻が多発する傾向にあり, また脳神経症状などの合併率が高かった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺動静脈瘻, 心エコー, 遺伝性出血性末梢血管拡張症, Rendu-Osler-Weber syndrome
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