アブストラクト(35巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : Ionescu-Shiley Pericardial Xenograft 328例の遠隔成績(耐久性と合併症の検討)
Subtitle :
Authors : 松木修*, 川副浩平*, 鬼頭義次*, 賀来克彦*, 小原邦義*, 小坂井嘉夫*, 藤井尚文*, 加瀬川均*, 田中一彦**, 藤田毅*
Authors(kana) :
Organization : *国立循環器病センター心臓血管外科, **国立循環器病センターICU
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 35
Number : 10
Page : 1818-1823
Year/Month : 1987 / 10
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 1979年8月から1983年8月までに, 328例に対してIonescu-Shiley Pericardial Xenograftによる弁置換術を施行した. 内訳は, 大動脈弁置換術(AVR)140例, 僧帽弁置換術(MVR)145例, 複数弁置換術(mVR)43例であった. 術後8週以内の早期死亡は31例(9.5%)で, 以後の死亡は, 13例(4.0%)であった. primary tissue failureによる機能不全は8例に生じ, 6例は再弁置換術により救命し得た. dysfunction free rateは, 5.5年でAVR 96.4±2.5%, MVR 95.3±2.8%, mVR 80.2±17.3%であった. 人工弁感染は, 12例に発生し, 8例に対し再弁置換術がなされ7例を救命した. 他の4例中2例は内科的治療にて治癒した. event free rateは, 5.5年で, AVR 96.9±4.8%, MVR 93.7±2.2%, mVR 97.6±2.4%であった. 血栓塞栓症はMVRの1例のみに生じたまれな合併症であった. event free rateは, 99.3±0.7%であった. Ionescu-Shiley Pericardial Xenograftの優れた水力学的特性は, われわれの施設を含め多くの報告がある. しかしながら遠隔期において人工弁機能不全例が散見され, 耐久性に疑問が持たれてきた. 今回のわれわれの検討では極めて良好な抗血栓性が証明されたが, 耐久性については, 良好とはいえず, むしろ諸家の報告が裏付けられた. 今後の注意深い経過観察が必要と思われる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Ionescu-Shiley Pericardial Xenograft, event free rate, 人工弁機能不全
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