アブストラクト(35巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 人工血管置換術5年後の胸部下行大動脈瘤右胸腔内破裂に対する1緊急手術治験例
Subtitle :
Authors : 田中啓之, 矢野真, Beh Chor Khim, 白井俊純, 坂本徹, 鈴木章夫
Authors(kana) :
Organization : 東京医科歯科大学胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 35
Number : 10
Page : 1920-1924
Year/Month : 1987 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 破裂性胸部大動脈瘤に対する手術成績はいまだ満足するには至らない. 5年前に胸部下行大動脈瘤に対し人工血管置換術を施行した64歳男性の, 置換人工血管より4cm近位部の胸部下行大動脈に新たに生じた大動脈瘤の右胸腔内破裂例に対し, 緊急手術を施行し救命し得た症例を経験したので若干の考察を加え報告した. 本症例は胸部大動脈瘤の再手術症例であるが, このような症例の救命例の報告は少ない. 手術に際し, 術前緊急大動脈造影による破裂部位の正確な確定診断を得たこと, 術中出血量を最少限に止める一時的バイパス法を選択したことが救命への重要な点であったと思われた. 病因として動脈硬化性病変が進行性である以上, 胸部大動脈瘤に対する初回手術には, 動脈壁の性状, 拡張性病変の範囲などを十分考慮した上で, 人工血管置換の範囲を決定する必要があると考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 破裂性胸部大動脈瘤, 再手術, 補助手段, 右胸腔内破裂
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