Title : |
心房中隔欠損症の術前後における電気生理学的検討 |
Subtitle : |
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Authors : |
狩野良雄*, 南川紀*, 牧保雄*, 安田敬志*, 安田公*, 平井雅也*, 牧貴子**, 田内宣生*, 木村隆***, 魚住君枝子**** |
Authors(kana) : |
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Organization : |
*名城病院心臓血管外科, **名城病院小児循環器科, ***東海病院小児科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
35 |
Number : |
11 |
Page : |
1974-1979 |
Year/Month : |
1987 / 11 |
Article : |
原著 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
心房中隔欠損症(ASD)患児27例の術前後に電気生理学的検査を行い, 基本周期(BCL)・AH間隔・HV間隔・2度房室ブロックを起こす最低ペーシング間隔(WCL)・洞房伝導時間(SACT)・修正洞結節回復時間(CSNRT)・心房有効不応期(AERP)について検討した. 術前に既に27例中21例(78%)に何らかの電気生理学的な異常がみられ, それらはBCLを除く測定したすべての項目においてみられた. 部位別にみると洞結節63%, 房室結節56%, 心房26%であった. 27例を年少児(3~9歳)と年長児(10~16歳)に分けて比較すると, 術前に測定したすべての項目においてその平均値は年少児よりも年長児の方が高かった. 肺体血流比と各項目との相関関係はいずれもみられなかった. 27例のうち16例において各項目の同一患児における術前後の変化を検討したところ, AH・WCL・CSNRT・AERPは術前に比べ術後有意に減少した. またWCL・CSNRT・AERPでは, 術前に異常値をとったものでも術後正常値に復帰する例が多くみられた. 以上よりASD患児では, 術前に既に電気生理学的に刺激伝導系の機能が低下している例が多く見られ, 手術によりある程度それは改善する傾向にある. この2つの結果を一連のものとみなすと, その原因としては, ASDの血行動態そのものである右心系容量負荷が最も考えられる. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
心房中隔欠損, 刺激伝導系, 不整脈, 電気生理学的検査 |