アブストラクト(35巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 急性心筋梗塞に伴う心室自由壁破裂に対する外科治療
Subtitle :
Authors : 岡林均*, 藤原康典*, 神崎義雄**, 光藤和明***, 山口勝雄****
Authors(kana) :
Organization : *京都大学医学部心臓血管外科, **倉敷中央病院心臓病センター心臓血管外科, ***倉敷中央病院心臓病センター循環器内科, ****岸和田徳洲会病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 35
Number : 11
Page : 1980-1986
Year/Month : 1987 / 11
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 近年, 心筋梗塞に伴う合併症に対する外科的治療は, 積極的に行われているが, 手術成績はいまだ満足すべきものとは言えない. 合併症の中でも心室自由壁破裂は, 発症が劇的且つ予測しがたいため, 救命は困難とされてきたが, 心破裂発症による心タンポナーデ状態よりElectromechanical dissociationに至るまでには, ある程度の時間的経過を認める症例があり, その時点での早期診断, 早期外科的治療によってのみ救命可能である. われわれは現在までに4例の自由壁破裂手術症例を経験した. 年齢は63歳~76歳平均68歳, 男性1例女性3例であった. 梗塞部位は下壁, 後側壁, 前壁, 前側壁, 各1例であり, 心筋梗塞発症より心破裂までの期間は, 24時間以内3例, 48時間以内1例であった. 診断法は心断層エコー法によるもの2例, 心断層エコー法及び心嚢穿刺によるもの2例であった. 補助手段として大動脈内バルーンパンピング法(以下IABP)及び体外循環を3例に用いた. 術式としては, 単純縫合を3例に, 梗塞部部分切除及びパッチ置換術を1例に行い, 単純縫合例1例とパッチ置換術例1例を救命した. 術前管理として, 心嚢穿刺とIABPが有用であり, 術式としてはパッチ置換術が有用と思われた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 心室自由壁破裂, 心タンポナーデ, 心嚢穿刺, IABP, パッチ置換術
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