アブストラクト(35巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 機械的循環補助における末梢循環動態の臨床的研究-特に血中乳酸値からの検討-
Subtitle :
Authors : 村松高, 瀬在幸安
Authors(kana) :
Organization : 日本大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 35
Number : 11
Page : 1999-2006
Year/Month : 1987 / 11
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 現在臨床上広く普及している大動脈内バルーンパンピング法(IABP)と, 最近臨床応用が可能となった左心補助人工心臓(LVAD)を中心に, 機械的循環補助における末梢循環動態について臨床的に検討した. 対象は, 体外循環離脱時に機械的補助循環を使用しなかった36例と, 機械的補助循環を使用した19例の計55例であった. これらの症例に対し, 末梢循環の指標として, 嫌気性代謝の面から動脈血中乳酸, ピルビン酸を, 好気性代謝の面から混合静脈血酸素飽和度(SVO2), 動脈血酸素飽和度(SaO2)を血行動態とともに経時的に測定した. 特に乳酸測定に関しては, 血液サンプル量も少量でよく, また極めて短時間に測定可能なMicro-Stat LM3(Analox社製)をベッドサイドにて使用した. その結果, IABP開始より3時間以後においても血中乳酸値が高値にとどまるものは, 予後不良であり, IABPの限界と同時にLVADの適応と思われた. また, LVADとIABPの末梢循環動態に対する効果は, 乳酸減少の差となって表れIABPに比し, LVADの強力な補助作用が確認された. 更に経時的乳酸値の変化とSV02は末梢循環動態をよく反映し, 多臓器不全との関係が示唆され, 予後指標となった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 乳酸, 混合静脈血酸素飽和度, IABP, 左心補助人工心臓, 多臓器不全
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