アブストラクト(35巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : ファロー四徴症術後遠隔期における心室性期外収縮と術後諸因子の検討
Subtitle :
Authors : 郡良文**, 須磨幸蔵*, 西山清敬*, 竹内靖夫*, 城間賢二*, 小山雄次*, 成味純*
Authors(kana) :
Organization : *東京女子医科大学附属第2病院心臓血管外科, **岡山大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 35
Number : 11
Page : 2029-2035
Year/Month : 1987 / 11
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 昭和49年1月から昭和56年3月までに根治手術を受け, 術後5年以上経過したファロー四徴症(以下TF)患者中35例を対象とした. 心室性期外収縮(以下PVC)の出現を中心に検索し, 手術時年齢, 術後経過年数, 運動能力, 術後右室左室圧比などとの関係について検討した. PVCは, トレッドミル運動負荷検査, 又はホルター心電図を行い, Lown分類に従って分類した. 35例中12例(34.3%)にLown 2度以上のPVCを認めた. Lown 2度以上のPVCが出現した群(BC群n=12)は, PVCがLown 1度以下の群(A群n=23)に比し, 右室左室収縮期圧比(RV/LV), 右室収縮期圧, 右室肺動脈圧較差が有意に大であった. しかし手術時年齢, 術後経過年数, CTR, 完全右脚ブロックと左軸偏位の合併, 左室駆出率, 肺動脈閉鎖不全, トレッドミル運動負荷検査における最高心拍数に関しては, 重症PVC発生の有無に有意な関係を認めなかった. ホルター心電図, 又はトレッドミル運動負荷検査におけるPVCの脚ブロックパターンより類推したPVCの起源は, 右室だけではなく左室起源と思われる例も多かった. 特にRV/LVの高い症例に左室起源と思われるPVCが多く認められた. PVC多発例, 重症PVCと判定された例でも良好な運動能力を示す例が多く認められ, トレッドミル運動負荷検査とホルター心電図両検査による評価が, 術後遠隔期の生活指導上, 必要であると思われた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : ファロー四徴症, 不整脈, トレッドミルテスト, ホルター心電図, 術後右室左室圧比
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