Abstract : |
成人開心術26症例に, Oximetrix Opticath(R)を使用して, 連続的に混合静脈血酸素飽和度(SvO2)を術後48時間モニターし, 血行動態とSvO2の変化を検討した. Opticathの測定値はRadiometer ABL-3血液ガス分析器の値とよく相関した;SvO2(ABL-3)=0.72SvO2(Opticath)+18.0, r=0.85, p<0.01). 術後6時間で, 体温の軽度上昇と酸素消費量の増加(p<0.05)術後12時間で体血管抵抗, 脳血管抵抗の低下(p<0.05)がみられた. 心係数(CI)とSvO2との相関は弱かった(CI=0.42SvO2+0.25, r=0.51, p<0.01). CIが2.1未満, 2.1以上2.6未満, 2.6以上の3群に分けると, SvO2はそれぞれ, 50.4±3.6%, 59.9±5.0%, 70.9±6.7%で, この差は統計学的に有意であった(p<0.01). SvO2は, 心拍出量と全身の酸素消費量との関係で変化し, これを連続的にモニターすることにより, より合理的な術後治療と, その迅速な評価が可能となり, 開心術術後管理に極めて有益であった. |