アブストラクト（36巻1号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 肺静脈瘤化した部分肺静脈還流異常症に合併した僧帽弁狭窄症の1治験例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 前田信証, 宮本巍, 清水幸宏, 大橋博和, 岡良積, 古出隆士* |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 兵庫医科大学胸部外科, *兵庫医科大学救急部 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 36 |
| Number ： | 1 |
| Page ： | 92-98 |
| Year/Month ： | 1988 / 1 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 症例は僧帽弁狭窄症, 三尖弁閉鎖不全症に右上中肺静脈還流異常症が合併した38歳の女性で, 異常還流する中肺静脈は著明に拡張, 蛇行し静脈瘤化しており, 胸部X線上右下肺野に肺動静脈瘻を思わしめる異常陰影を呈した. 手術として直視下僧帽弁交連切開術, 三尖弁弁輪縫縮術, 及び心房中隔欠損孔を作製し異常還流肺静脈の左房へのreroutingを施行した. 異常還流肺静脈瘤は術後徐々に縮小し, 術後8ヵ月目にはほぼ完全に消失した. 異常還流肺静脈が静脈瘤化した報告はみられず, 極めてまれなものと思われたので, 本症の血行動態及び異常還流肺静脈瘤の成因, また手術術式などに関し文献的考察を加えた. 部分肺静脈還流異常症(PAPVC)と僧帽弁狭窄症(MS)の合併は比較的まれであり, 本邦では文献上7例が散見されるのみであり, また外国にても僧帽弁狭窄症兼閉鎖不全症(MSR)の合併例5例を含め27例が報告されているだけである. 最近, われわれはこれら両者の合併に加え, 上大静脈に異常還流する中肺静脈が著明に拡大し静脈瘤化した1症例を経験した. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 肺静脈瘤, 部分肺静脈還流異常症, 僧帽弁狭窄症 |
