アブストラクト(36巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 胸膜肺全剔術を行った播種性胸腺腫の1例
Subtitle : 症例
Authors : 水渡哲史*, 池田高明, 酒井忠昭, 深山正久**
Authors(kana) :
Organization : 東京都立駒込病院外科, **東京都立駒込病院病理科, *足利赤十字病院外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 36
Number : 1
Page : 99-103
Year/Month : 1988 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 胸腺腫が胸腔内に播種した症例の報告はまれである. このように進展した胸腺腫症例は外科的切除よりも放射線療法や化学療法の対象とみなされてきた. われわれは播種性胸腺腫の1例に胸膜肺全剔術を施行したので報告する. 症例は55歳の女性で, 昭和60年7月から背部痛が出現し, 近医で胸部異状陰影を指摘されて紹介入院した. 胸部X線写真及びCT写真で, 右縦隔から肺門に突出する腫瘤影の他に胸壁に接して多数の腫瘤状陰影がみられた. 昭和60年11月, 手術を施行した. 手術では縦隔から右肺門, 右肺上葉に及ぶ腫瘍の他に壁側胸膜と横隔膜に無数の腫瘍が存在し, 胸膜肺全剔術を行い腫瘍を切除した. 術後放射線治療を行い, 術後9ヵ月の現在健在である. 播種性胸腺腫に対する治療法として胸膜肺全剔術は1つの方法と考える. 胸腺腫が胸腔内播種を起こした症例の報告はまれである. このように進行した症例に対しては, 従来の報告では放射線療法や化学療法が行われている.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 胸腺腫, 胸腔内播種, 縦隔腫瘍, 胸膜肺全剔術
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