アブストラクト(36巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肥大型心筋症に合併した冠動脈狭窄に対するA-Cバイパス術の1例
Subtitle : 症例
Authors : 伊藤孝, 大須賀洋, 北條禎久, 阿部康人, 山内泰介, 木村茂
Authors(kana) :
Organization : 愛媛大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 36
Number : 1
Page : 124-129
Year/Month : 1988 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 62歳の女性, 労作時の前胸部絞扼感があり狭心症の疑いで治療を受けていたが, 胸痛が消失しないため入院した. 精査の結果, 肥大型非閉塞性心筋症に合併した前下行枝狭窄と診断された. 本症にA-Cバイパス術を行い胸痛の消失をみた. 心筋肥大による酸素需要の増大と冠血管の拡張が困難な状況下にある肥大型心筋症に冠動脈狭窄が合併した場合は, より重篤な心筋虚血症状を呈するためA-Cバイパス術により積極的な冠血流の確保が重要である. 肥大型心筋症に合併した冠動脈狭窄の手術について文献的考察を加え報告した. 肥大型心筋症と狭心症は, ともに胸部圧迫感, 狭心痛などを主訴とし, 臨床症状より鑑別することは困難である. また両者の合併することは比較的まれである. 冠動脈狭窄を有する狭心症に対しては, 薬物療法の他に経皮的冠動脈形成術(PTCA), A-Cバイパス術が安全に広く行われているが, 肥大型心筋症に対しては限局性の左室流出路閉塞を来す症例を除いては薬物療法が基本である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肥大型心筋症, 狭心症, 冠動脈狭窄, A-Cバイパス術
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