| Authors ： |
河内寛治, 北村惣一郎, 大山朝賢, 小林博徳, 高義昭, 森田隆一, 西井勤, 谷口繁樹, 関寿夫, 井上毅 |
| Abstract ： |
梗塞後左室瘤切除術を施行した7例の術前後に安静時及び運動負荷時における心臓カテーテル検査を施行し, 主として前負荷, 拍出量関係に検討を加えた. 1)安静時血行動態：術前高値を示した左室拡張末期容積は術後減少し, 左室全体としての駆出分画は術前0.27から術後0.46と増加した. 術前低値を示した心係数も術後正常値を示し平均収縮期壁張力も術後減少し, 安静時の各指標の改善が認められた. 2)運動負荷時血行動態：1回心係数は術前には, 運動負荷により有意な変化は認められなかったが, 術後には, 安静時に比して有意に増加した. LVEDPは安静時及び運動負荷時共に術前に比して低下傾向がみられたが, 有意差はなかった. 1回仕事量係数(SWI)は術後には, 安静時及び運動負荷時ともに有意に増加した. 3)SWIを縦軸に, LVEDPを横軸にとると, 術後には, 安静時及び運動負荷時共にLVEDPは術前に比して低下し, SWIは増加を示し, 左上方へと移動する. すなわち, 左室腔の縮小により, Frank-Starling曲線の改善, preload reserveの回復を意味しており, 運動負荷を施行することにより, 術後心機能改善の重要な1因子を明らかにした. |
