Authors : |
川内基裕, 古瀬彰, 進藤剛毅, 松永仁, マティソン恵, 横井泰, 中島淳, 吉竹毅*, 鈴木安弘*, 浅野献一** |
Abstract : |
日本猿(体重7.3~12.9kg, 雄)を用いて, 計14回の同種同所心肺移植実験を行った. donor心肺は, 4℃ St Thomas液20ml/kgによる心停止後4℃ Euro Collins液20ml/kgで肺を灌流しEuro Collins液中に浸漬保存した. recipientの手術操作には体外循環を用いた. 体外循環時間は80~119分, 平均96.7分, 虚血保存時間は57~91分, 平均73.3分であった. 14例中13例では大動脈遮断解除後心拍動は速やかに再開し, 生存期間は4時間から33日であった. 死因は拒絶反応7例, 心不全3例, ハイポキシア・肺水腫・屠殺・両側気胸各々1例であった. 自発呼吸下に3日以上生存した例では術後に少量のisoproterenolを必要としたが循環動態は終始安定していた. 心拍数は120~190beats/min, 収縮期血圧100~180mmHgであり, 平均肺動脈圧は直後12~26mmHgとやや高めであったが24時間後には10~13mmHgに低下した. 術後の肺の換気能力は良好であったが, 呼吸パターンは術前に比べ変化した. |